静岡県富士宮市 | 日蓮宗 妙境山 円恵寺

〒419-0314 静岡県富士宮市大久保216 TEL 0544-65-0178
「逍遥」住職のお散歩道
Stroll Diary

「逍遥(しょうよう)
たのしみは空暖(あたた)かにうち晴れし 春秋の日に出でありく時        橘曙覧

桜咲く円恵寺の風景

 今日で2月も終わる。久しぶりの逍遥に出かけた。昨年9月のアキレス腱断裂から早5ヶ月を経過。歩行はできるがつま先に力が入りにくい。50分程度で帰着。陽気のせいか、何人かのウォ―キングする人と行き交う。
 「こんにちは」交わすことばには、「あなたは何のために歩いているの? 私は健康のため」人によって「歩く」の目的はそれぞれ。見る人によって、同じモノでも価値観はちがう。環境が一緒でも、楽しめる人と苦しむ人がいる。水の観方にも少なくとも四通りあるという仏教目線なのだ。

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 この一週間は正に東奔西走。距離的にもそうだが時間と行動にも異動極めた七日間だった。東京往復を日に3回、新幹線車中では夢うつつ…、会議も多岐に亘りて、持参する資料を間違えてしまう始末…。夢幻とは儚いもの「人間五十年下天のうちをくらぶれば夢まぼろしのごとくなり」。人間と書いて「人の世」すなわち「じんかん」と読む。人の世は50年といい、天界とは比較にならないほど儚いものという室町期に流行した舞曲『幸若舞』「敦盛」の一節。
 「寝ても覚めても」「明けても暮れても」毎日のことだが、人の世は、あっという間のことかもしれない。だからこそ、威儀を正してふるまいをこころがけよ!との仏の教えである。「行住坐臥」行く時も、留まる時も、座る時も、そして横になる時も、心はいつも変わらない、環境に左右されない姿勢が尊いのだ。
 

 昨晩の大河ドラマで次郎法師直虎が読経をした。第三話、五話に続いてである。読誦(お経を読むこと)する経文は『妙法蓮華経』の観音経である。直親の帰山の交換条件として厳しい検地が行われた。これによって隠し里が発覚する。しかし次郎法師の機転で検地奉行の妻の回向をして穏便に済ますことができた。次郎法師がというより、番組の演出だろうが柴咲コウ演じる次郎法師は、ドラマ中お経に旋律をつけた読経が妙に心地よいのだ。私には違和感はなかった。
 僧道の読誦指南に「法音を歌誦してこれを以て音楽とするものか」とある。読経とは、読むことでお釈迦さまの説法を再現できる、即ちそれは聞くということになる。ならば少しでも耳に優しく、心に溶け込む心地良さが大切であるという昔からのありがたきことば。

※古来より、仏教にはお経文に節をつけて仏を讃える「声明(しょうみょう)」がある。日本にも仏教伝来と共に伝わり、天台や真言声明などが今でも法要の中で聞くことが可能である。

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 憤怒の作家として著名な佐藤愛子さんのエッセイ集。選んだ理由は、母親の暇つぶしのため、そして介護扶助のひと役としてである。
 母親は、現在要介護認定を受けている。それもあって、デイサービスやショートステイの利用もできる。何かにつけ施設のケアマネさんやスタッフの皆さんは、いろいろと本人のためと病床に伏すことのないように心がける環境づくりと、快適な生活の提供を真剣に考えてくださることに頭が下がる。
 自分用にと出かけた本屋で見つけた一冊『九十歳。何がめでたい』。佐藤さんは、88歳で『晩鐘』を最後に引退をしたが、引退後の生活で感じた「老いの本性が自分をダメに追いやる」というヤケクソの力とご本人は言うが、とても93歳になろうとする高齢者の信じ難いモチベーション魅かれた。
 母も、これが気に入ったらしく読んでいる。正にヘトヘトでしぼり出した怒りの金言とはよくいったものだ。

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 探し物をしていたら、出てきた我が家にとっては懐かしい別品(べっぴん)の紹介。
先代が40年来肌身離さなかった「孫の手」。先端の指部分が欠損しているが、助けられる孫の手で、孫の頭や行儀の悪い手をコツコツと叩いていたのを思い出す。
 「孫の手」とは、中国の伝説に出てくる「麻姑(まこ)」という爪の長い仙女からきているそうだ。いうなれば「思うまま」という意の『如意』の目的と適っていることに面白さを見出す。『如意』は、やはり中国が本場で、金銀や翡翠などの高価なものから、実際に僧侶が権威として持するモノまで幅広い。彼の「西遊記」に登場する孫悟空が扱うスティク状のモノも「如意棒」といい、普段は小さくして耳の中に携帯しているスグレモノだった。

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 春暖かな日、久しぶりに富士市内岩本にある日蓮宗霊跡本山「実相寺」に参った。奇しくも今日はお釈迦さま御入滅された日であり、明日が宗祖日蓮聖人の御降誕(誕生)の聖日である。
 鎌倉時代、正嘉、正元、文応、弘長年間は天変地夭飢饉疫癘が打ち続く。日蓮聖人は災いの根源を追究すべく、この実相寺の一切経蔵に籠られた。時に日蓮聖人37歳であった。当時、実相寺は天台宗の名刹で一切経は叡山の智証大師という高僧が唐土より持ち帰られ一部を三井寺に、もう一部が実相寺に格護されているものだった。日蓮聖人は、夜となく昼となしに寸暇を惜しんで世の中の乱れ、人々の心までが荒んでいる状況を、経文に照らした。
 その結果、救世の書『立正安国論』の草稿をされた。これを以って、幕府に上奏しいよいよ宗祖の艱難辛苦の半生に突入していくのである。右写真は、実相寺総門。扁額には「安国道場」とある。

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 総門脇に御宝塔(お題目塔)がある。その側面に「閲大蔵経 著安国論」と書かれている。写真は文字が大きすぎて入りきれなかったが、「閲」は、一切経蔵に入蔵され三災七難の拠り所を究明されたということ。また「著」とは、実相寺で原稿を認められたものを持参し、鎌倉にお帰りなって、文応元年には『立正安国論』を幕府に提出される。すなわち世の乱れを正す論著を著されたということである。

 この日は、団体さんが境内を散策していた。広い寺域をガイドさんらしき方の案内で祖師堂へつづく階段を登り、伽藍を巡っていた。約30名ほどのツアー客の人たちは、熱心にガイドさんの説明に耳を傾け、カメラでスナップ写真を撮っていた。私は、少し距離をおいて後を追う形でついて行った。あるご婦人が「境内の掃除が行き届いていて気持ちがいいわね」そのことばに私自身も嬉しくなった。

 
 

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日朗上人米とぎ井戸
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一切経蔵
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日蓮聖人も眺めた駿河湾を眼下に

「逍遥(しょうよう)
たのしみは空暖(あたた)かにうち晴れし 春秋の日に出でありく時        橘曙覧

  • 建国記念の日
    2月11日

 明治6年(1873)神武天皇の即位を以て、日本国の建国の日として起源説に2月11日を定めた(新暦換算)。昭和23年第二次世界大戦後、GHQによって廃止になったが、昭和41年(1966)国民の祝日として「建国記念の日」が適用された。その後、平成23年(2013)第二次安倍内閣は長らく停止状態であった日本の主権の回復を願い、「主権回復の日」を定めた。
 

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知ってか知らずか…。
障子は元来、日本家屋においては必須アイテムであり、暗さの文化である陰翳(いんれい)の美を演出するにはなくてはならぬものである。ガラスの普及によって、また日中に家人はいないことを考えると存亡の危機に陥る可能性もあったがそういうものではなかった。日本人特有の美意識と、いいもの(本物)は捨てきれない文化を持っているのだ。
 境内の大木を昨秋切ったことで、富士見が可能になった。また、書院の雪見障子越しに居ながらにして霊峰を堪能できることは何ともありがたいこと。

※「陰翳」は2016.12.7 逍遥「陰翳礼讃」で話しています。

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 久しぶりに出かけた繁華街。終末の街はどことなく休日前の予行的な雰囲気がただよう。歩く人たちにも友人同士、お母さんと娘、夫婦、ランチに向かうサラリーマンみんな笑顔で行き交う。私は、町の一角にある公園のベンチに腰かけて、それを眺める。風もなく、日陰は寒いが、日向(ひなた)に出ると、途端に陽の暖かみを受ける。日溜り(ひだまり)とは、日当たりがよくて暖かい場所をいい、わりと狭い場所に限るようなことを聞いたことがあった。正に日が溜まるところというわけだ。
 ここも、町のほぼ中心にある繁華街の一角ということで日の溜まり場なのである。ここに座って実感した。「居心地がよいところが日溜り」なのだと。心の日溜りは一つや二つ身近に在りたいものだ。

※撮影中に、自らの姿を入れてしまった。

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 普段から歩きなれた道ながら、しみじみ観察すると絶景であることに改めて気がつく。わかってはいるが何が素晴らしいかと自問自答して納得できた。普段の生活にこのような検証はこれから必要なんだろうな。
 海抜と標高は同じなのか?懸念される有事(東海地震をいう)の時、気にかけるのが「海抜」のほうだが、ほぼ同等な内容らしいので気にしないことにした。富士市と富士宮(旧芝川町)を行ったり来たりするが、どのルートを選んでも起伏の多い道を利用する。最近頓に気になるのが「海抜」。「この辺にまで押し寄せるのかな…。」
 ここは、富士市の岩本滝戸周辺海抜は50~70mくらいの場所。奥の山系は富士山から愛鷹連峰。茶畑が広がり、眼下に富士市の町が一望できるスポットとしても知られている場所である。これからの季節、もっと彩りを鮮やかにしてくれる。

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 日蓮宗の宗門運動がある。『立正安国・お題目結縁運動』平成19年から展開中である。日蓮聖人生涯の願業が「立正安国」すなわち正しいことを考えて、行って世の中をよくしていこう、ということだ。この運動のスローガンが「いのちに合掌 安穏な社会づくり、人づくり」。

 日蓮聖人の時代もそうであったように、現代もそうでなくてはならない。不正はよくない!また実に見苦しい。東京都築地移転、オリンピック問題など、世界に目を向ければ米国の諸事情と混乱の極みである。身近な私たちの社会も、人々の正しい心がなければ、どんなことをしても決して上手くいかないのである。

※写真は、富士市内伝法に建設中の新東名取付道路(幅16m2車線中央分離帯有)。町内の分断、雨水の氾濫等問題は多い…。

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 オホーツク海の流氷が、今年も紋別や網走沿岸に接岸したとの発表があった。日本には古来より季節の移ろいを二十四の気と、七十二の候という等分で極身近に四季を感じさせてくれる暦がある。

 はじめて春の兆しが見えてくる立春をすでに迎えた。今朝は「福茶」を仏前と神前に供えた。本当は、立春から始まる新しい年のはじめに汲んだ若水で、小梅や結び昆布などのめでたきものを入れて煎茶(ほうじ茶もよし)をいれる。春を迎える喜びと、平穏な暮らしを神仏に祈る。
 福茶と一緒に供えたのは、むかご飯。「むかご」とは、イモ類によく見られる葉腋の間に出る芽というか茎をいう。家内は自然薯を使用。少しの酒と醤油を入れて炊いたもの。

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 立春の前日に行われる古くからの風習「節分」。何も恒例に2月だけのものではなく、季節の分かれ目、すなわち立夏、立秋、立冬の前日も「節分」ということになる。自坊(寺)でも恒例に行じている。昼のワイドショーでは、成田山新勝寺の節分の様子が流れている。午前、午後2回にわたって行われたようで、芸能人や関取が振りまく。今年の目玉は何といっても第92代横綱稀勢の里関。一目見ようと朝3時から境内に陣取った人、和歌山から車で駆けつけた人。凄い!

 「柊鰯(ひいらぎいわし)」は、塩鰯を焼く臭いと煙で鬼を遠ざけ、柊の棘で鬼の目をついて門口から入らせないようにする。そして、煎った大豆で鬼にぶつけて追い打ちをかける。昔は子供たちが町内を一軒一軒まわって菓子などもさらったものだ。懐かしいが、これも時代の流れで仕方なし。

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 正直に言って将棋はよくわからない。ただ、加藤一二三という棋士は知っていた。加藤さんを知ったのは中原名人との対局で、もつれ込んだ末に劇的な一分将棋で勝利をして名人位を獲得したというニュースだ。
その後(2008)、自宅マンションそばで野良猫に餌付けをして被害を受けたとして、同じマンション住民から訴えられたことで、この人があの加藤一二三であることを改めて知った。これ以降、よくテレビにも顔を出していたので、より近い存在となった。
 
 今年1月19日には、63年間に及ぶ棋士生活に終止符を打った。加藤九段の実績には詳しくはない。ただ加藤一二三という人間になぜか魅力を感じてならない。彼の流儀だという、長く結んだネクタイとあの風貌。敬虔なクリスチャンで将棋にも、その信仰心が影響をしていることも知った。

 著書の中で、洗礼を受けた下井草の教会で、「ミサ中に神様から強い自信を与えられた。そして、それを受け入れた」こと。揮毫する文字に「花鳥風月」を選んだ。花や鳥は神さまが作られたものと信じる。人への慈しみと同時に、生き物や自然に対する慈しみも大事という。勝負には、こういうバランス感覚が必要だと話す。

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いのちに合掌
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