静岡県富士宮市 | 日蓮宗 妙境山 円恵寺

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仏事の作法
Manners of Buddhist rituals

このページでは、仏事作法についてお伝えします。現在、日蓮宗に限らず仏事は、地域性、宗派の事情、また各寺により多様性を帯びています。ここには基本的な作法を掲載します。

 仏事とは、本来お釈迦さまの教え、仏さまの心を自分自身に照らすことでしたが、時代と共に習慣儀礼、年中行事、そして故人への追善供養をつとめることが一般的に仏事と呼ばれるようになりました。

 お釈迦さまや、諸々の仏さま、あるいは世の中に存在する沢山の神さまと共に私たちはあります。つまり、私たちの生活こそ、すなわち仏事を知り、学び、実践する場所でなくてはなりません。「まさに知るべし。この処はすなわちこれ道場なり。諸仏ここにおいて阿耨多羅三藐三菩提を得、諸仏ここにおいて法輪を転じ、諸仏ここにおいて般涅槃したもう」お釈迦さまを信じ、その教えを尊び、先祖を篤く敬う、この場所こそ私たちの信仰の道場であるのです。

 私たちの日常生活は信仰生活であることを忘れてはなりません。さらに、仏事は私だけのこととせず、家族にもその大切さを継承していくことが大切なことです。

 (注)阿耨多羅三藐三菩提(あのくたらさんみゃくさんぼだい)…悟り。最上の悟った状況をいう。
    法輪(ほうりん)…仏の教え。車輪のごとく、尊い教えは永く人から人へ廻っていくこと。転法輪ともいう。
    般涅槃(はつねはん)…こうして、諸々の仏はこの上ない境地に至った。入滅のこと。

 仏事作法の実践は、常に日頃からの積み重ねによるものです。このことを「精進(しょうじん)」といいます。
 「心構え」でも申しげあげましたが、私たちの信行の場は生活を営むこの世の中にあります。したがって、家の中(家庭)はもちろんのこと、職場だったり、町内会(社会)や友好の場(対人関係)においても実践できる場であるのです。
 その上で、特に日頃から日常的に行えるところは家庭ということになります。これが習慣化されていき、いつでも社会だけでないあらゆる場面において生かすことのできる一つの常識(宗教的情緒)となります。

 それでは、家庭で信行を行ずる場は何処がよろしいか。それは「お仏壇」の前が最適でありましょう。「仏壇」とは、ご先祖を祀るだけでなく、本来信仰の対象となるご本尊をお祀りする壇(だん:高い場所。仏像や法具を安置するところ)のことをいいます。仏壇については、さまざまな祀り方がありますので、他を参考にしてください。

 こうした、仏壇を家庭に置くことは、信行のつとめを行う場所であるとともに、仏壇のある場所は、古くから私たちの生活基盤の中心であったことを忘れてはなりません。今でこそ「お茶の間」ということばは聞かなくなりつつありますが家族が集まり、語らい、団らんという繋がりをもてたことが、仏教本来の目的でもあるのですから。

註:地域や家によっては「仏間」という特定な部屋を設けているところがあります。また、信仰心があって、先祖を大切にしているけ
  れど仏壇がまだないというお宅ももちろんあります。ここで申し上げたことは、広く一般的な解釈として述べさせていただいています。
  また仏壇は、その家から亡くなった方がいなくとも置くことは結構なことだと拝察します。


1. 合掌の意味

合掌とは、両手を合わせて仏さまを拝むときの礼法です。インドの敬礼作法の一種が仏教に取り入れられたもので、右手が仏さま、左手は私たちを表します。この右手と左手を合わせることで、仏さまと私たちが一体となり、仏さまの心持ちに近づいていきたいとの願いが生まれます。

2. 合掌の仕方

合掌の作法

まず背筋を伸ばし、あごを引き、腰を落ち着かせます(正座も椅子も同様)。両手のひらをぴったりとつけます。指と指の間も広げずしっかり合わせます。
そして、親指の付け根をみぞおち辺りにつけて、そのまま前に45度傾けます。すると、美しい合掌の姿となります。

1. 数珠の意味

お数珠は「数の珠」という意味で、元来「念誦(ねんじゅ)」といいお念仏を唱えることを指します。またお念仏や日蓮宗のお題目を唱える際に、その数を数えるための法具です。これが一般的に普及して、御仏前で仏さまと向かい合うとき、すなわち信行の必須アイテムとなりました。

2. 珠の数

珠の数

日蓮宗で用いられる数珠は、108個の珠が連なってできています。この数は人間の持つ煩悩の数を表しています。元々、煩悩を消し去るために数珠を持ってお念仏やお題目を唱えることをしていたことが、今ではお数珠そのものに煩悩を消し去る、身を浄める働きがあるということで「清浄具」という扱いもできるようです。

3. 珠の形

日蓮宗のお数珠の場合、そろばんの玉のように扁平な形状ではなく、球体に近い(みかん玉)ものが望ましいとされています。

線香は3本、または1本、焼香も1回また3回、また線香は香炉に立てずに寝かす場合もあります。宗派やお寺さんによってさまざまなのが現状です。大切なことは、まず拝む対象に手を合わせて心から念じます。そして線香や焼香をします。最後にまた合掌をしてもう一度念じます。通夜、葬儀に参列した場合、大勢の中一人であるのですから時間の制約もあると思います。こういう場合、良識として3回の焼香を1回に心を込めてすることが大事です。

線香の立て方

線香

お線香を手にして、火を点します。火が消えない場合は線香を持つ逆の手で払い火を消します。息を吹きかけることはしてはなりません。

[香炉について]
三本足の場合は、奥(仏さまの方)に二本、手前に一本が来るように(仏様に尖ったものが向かないようにするため)紋があれば紋が手前を向くようにしましょう。

焼香の作法

線香

まず、御霊前で一礼し、お香を親指と人差し指(中指を添えてもよい)で適量つまみます。つまんだ右手に、故人に対する想いを念じて炭の上に落とします。終ったらもう一度合掌し一礼して自席に戻ります。

1.日々の供膳は…

毎日、ご先祖にお膳を供えることはむずかしいことですから、普段は朝方ご飯を炊いた日(仏飯:ぶっぱん)に朝一番に供えます。他にお水やお茶を上げます。お下がりは、また家族でいただきましょう。

2.供膳の供え方

供膳

私の地方では、葬儀には白木膳を用います。これは大体49日忌までとされています。ですから49日忌のことを「膳上げ」と呼びます。したがってこれ以降は、塗のお膳に変わります。ご先祖の追善の法要にはイラストのような配置でそれぞれの椀を並べます。)

飯椀 … ご飯
汁椀 … お吸い物・みそ汁
平椀 … にんじん・芋・椎茸などの煮物
壺椀 … 煮豆・ゴマ和えなど
高皿 … 漬け物

1.お墓の大切さ

お墓を語るには、葬儀と火葬を含む墓埋に関してさまざまな論理があることが事実です。私たちが理解するお墓とは、亡き故人の遺骨(または遺体)を葬り、弔う場所をいいます。お墓はお寺の境内であったり、霊園と呼ぶ所であったりといろいろですが、先祖を祀るお墓がある限り、その家族は先祖を尊び、今日あることへの感謝の念を以て大切にしなければなりません。

2. お墓参り

お寺にお墓がある場合は、まず寺の本堂を参って御本尊に対しご挨拶をします。つづいてお墓の掃除ですが、墓周辺の草取り、墓石は雑巾などで丁寧に汚れを拭き取ります。お寺によっては、お墓参りの心得(きまり)が異なりますから、生花、供物などについては充分に注意をしてください。掃除が終わったら、いよいよお参りです。線香を手向けて、数珠を手にして合掌、先祖への追善の心を捧げます。

お寺は、日本全国どこにも必ずあるものです。少し前まで、お寺ではいろいろなことをしていました。確立された檀家制度は地域住民の管理ができました。読み書きそろばん、学問や習い事は寺に任せられました。多くの文化を発信していたのもお寺からでした。しかし、時代と共に、檀家と呼ばれる特定の人たち以外には多くの寺々は門戸を閉ざしてしまう場合が多くなってきたことは事実です。
お寺と縁を持つことで、人は生きる喜びと力を得ることができたといいます。ご先祖を篤く敬い、頑な信仰心を身につけることだけがお寺の存在価値ではありません。俗に「葬儀」「墓」「寺」の三離れが昨今騒がれていますが、世知辛い世の中でホッと一息つける心の拠り所でありたい。そんな方々の想いが届くお寺が少しでも増えることを念じています。

菩提寺のおつきあい

お檀家としてある限り、菩提寺のおつきあいは大切にしなければなりません。お寺によってもいろいろですが、おおむね檀家規約というものに則りお寺とお檀家のおつきあいが約束されていると思います。それぞれのお寺さんに一度問い合わせていただくことをお勧めします。

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