作法について
数珠の作法
お数珠は「数の珠」という意味で、元来「念誦(ねんじゅ)」といいお念仏を唱えることを指します。またお念仏や日蓮宗のお題目を唱える際に、その数を数えるための法具です。これが一般的に普及して、御仏前で仏さまと向かい合うとき、すなわち信行の必須アイテムとなりました。 日蓮宗で用いられる数珠は、108個の珠が連なってできています。この数は人間の持つ煩悩の数を表しています。元々、煩悩を消し去るために数珠を持ってお念仏やお題目を唱えることをしていたことが、今ではお数珠そのものに煩悩を消し去る、身を浄める働きがあるということで「清浄具」という扱いもできるようです。 日蓮宗のお数珠の場合、そろばんの玉のように扁平な形状ではなく、球体に近い(みかん玉)ものが望ましいとされています。1.数珠の意味
2.珠の数
3.珠の形
線香・焼香の作法
線香は3本、または1本、焼香も1回また3回、また線香は香炉に立てずに寝かす場合もあります。宗派やお寺さんによってさまざまなのが現状です。大切なことは、まず拝む対象に手を合わせて心から念じます。そして線香や焼香をします。最後にまた合掌をしてもう一度念じます。通夜、葬儀に参列した場合、大勢の中一人であるのですから時間の制約もあると思います。こういう場合、良識として3回の焼香を1回に心を込めてすることが大事です。
供膳の作法
墓参りの作法
1.お墓の大切さ
お墓を語るには、葬儀と火葬を含む墓埋に関してさまざまな論理があることが事実です。私たちが理解するお墓とは、亡き故人の遺骨(または遺体)を葬り、弔う場所をいいます。お墓はお寺の境内であったり、霊園と呼ぶ所であったりといろいろですが、先祖を祀るお墓がある限り、その家族は先祖を尊び、今日あることへの感謝の念を以て大切にしなければなりません。
2.お墓参り
お寺にお墓がある場合は、まず寺の本堂を参って御本尊に対しご挨拶をします。つづいてお墓の掃除ですが、墓周辺の草取り、墓石は雑巾などで丁寧に汚れを拭き取ります。お寺によっては、お墓参りの心得(きまり)が異なりますから、生花、供物などについては充分に注意をしてください。掃除が終わったら、いよいよお参りです。線香を手向けて、数珠を手にして合掌、先祖への追善の心を捧げます。
お寺の存在
お寺は、日本全国どこにも必ずあるものです。少し前まで、お寺ではいろいろなことをしていました。確立された檀家制度は地域住民の管理ができました。読み書きそろばん、学問や習い事は寺に任せられました。多くの文化を発信していたのもお寺からでした。しかし、時代と共に、檀家と呼ばれる特定の人たち以外には多くの寺々は門戸を閉ざしてしまう場合が多くなってきたことは事実です。 お寺と縁を持つことで、人は生きる喜びと力を得ることができたといいます。ご先祖を篤く敬い、頑な信仰心を身につけることだけがお寺の存在価値ではありません。俗に「葬儀」「墓」「寺」の三離れが昨今騒がれていますが、世知辛い世の中でホッと一息つける心の拠り所でありたい。そんな方々の想いが届くお寺が少しでも増えることを念じています。
菩提寺のおつきあい
お檀家としてある限り、菩提寺のおつきあいは大切にしなければなりません。お寺によってもいろいろですが、おおむね檀家規約というものに則りお寺とお檀家のおつきあいが約束されていると思います。それぞれのお寺さんに一度問い合わせていただくことをお勧めします。