芒のぎ 二十四節季・七十二候を読む
2020/07/14
芒のぎ 二十四節季・七十二候を読む
2020.7.14
よく説教の「枕」いわゆる導入部分で、私自身が利用するのが、この二十四節季と七十二候である。季節感あふれる言葉にに癒されることは、お話しをする上で大事なことではあるのだが、「暦の上では、立夏といいますものの、まだ肌寒い日々が続いておりまして…」と、このような使い勝手に限られる。
およそ30日から40日後に、立夏本番はやってくる。このずれは何か。それは日本と中国との気候のずれがもたらしているといえる。だから日本は中国より1~2ヵ月遅れてそれはやってくるということになる。
「芒種ぼうしゅ」も然り。寺の近隣は田畑が目立つ。私は、この稲の穂先が好きである。朝の勤経を終えて、この時期境内からしばらく外を眺める。朝露を芒のぎに従えた、夏本番の涼しさを垣間見ることにできるこの季節が何よりも好きである。