ましらの声、天に響く!
2021/10/15
「ましら」とは「猿」のことです。
日蓮聖人が晩年お住まいになった身延西谷は、四方を四つの衝立で囲まれたかのような日も差さないところでした。そして日蓮聖人は「ましら(猿)のなく音、天に響き、蝉のさえずり地にみてり。天竺の霊山このところに来たれり。唐土の天台山まのあたりここに見る」身延という所は、山々に囲まれた深い谷にあって、人が滅多に訪れないところ。猿の鳴く声と蝉の声だけがかまびすしく響き渡っている場所であるということを仰っています。
さらに、釈尊が法華経を説かれた霊鷲山がここに出現したようであり、あるいは中国の天台山が目の前に現れたように尊い所であると仰せになっております。
ここにきて、やっと秋らしく感じられる日々が訪れました。野も山も秋から冬支度にかかろうとしています。猿もこのところ寺の境内にチラホラと現れては秋を堪能しているようです。