襟を正す
2022/01/03
襟を正す
正月三が日は、「御仏飯ぶっぱん」に雑煮を供える。はたしてお寺が仏事としてすることかは別にして先代の頃からの習いである。
また何故に、三が日限定なのか、松の内でなくてよいものか、気にするとあっという間の三が日が過ぎてしまうのでこれ以上はここでは攻めることはしない。
昨年暮れに荒神払いの回向にお檀家廻りをした。これによって向こう一年間火伏の更新をする風習。世間では、暮れから年越しのそばを食し、おせち料理を用意し、ついた餅を雑煮にしていただく。日本に生まれ良かったと思うのはこういうことからしてである。
話しを少し元に戻す。「三が日」は、こうして慎む姿勢、中国の詩人(政治家)蘇軾そしょくは『赤壁賦せきへきのふ』で、日本では公用語として定着している「襟を正す」ということばを初めて使ったとされる。正に襟を正して自然に対しての「畏怖」と人生の「悲哀」を表明するのが、三が日ではないかと察するのも悪くはないと思う。